最終更新日:2019/03/26

【キャットフード用語解説】総合栄養食

分析試験をクリアした総合栄養食

総合栄養食とは

総合栄養食とは、ペットフード公正取引協議会が定める分析試験の結果、基準を満たしたものに与えられる証明になります。
ペットフード公正取引協議会では、総合栄養食について次のように説明しています。

犬や猫が必要とする栄養基準を満たした、「毎日の主要な食事」として与えるためのフードです。新鮮な水と一緒に与えるだけで、それぞれの成長段階における健康を維持することができるように、理想的な栄養素がバランスよく調製されています。 総合栄養食には、そのペットフードが適応する成長段階が必ず表記されています。成長段階は、「幼犬・幼猫期/成長期またはグロース」「成犬期・成猫期/維持期またはメンテナンス」「妊娠期・授乳期」にわかれています。また、これらの3段階全てを満たすものとして、「全成長段階」又は「オールステージ用」があります。
出典:ペットフード公正取引協議会・表示について

ペットフード公正取引協議会の定める基準には、AAFCO(全米飼料検査官協会)の栄養基準と給与試験のプロトコルが採用されています。

総合栄養食の利点

犬や猫を飼われている方にとってスタンダートとなっている総合栄養食ですが、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
1つずつ見ていきましょう。

新鮮な水と一緒に与えるだけでOK

AAFCOの栄養基準をクリアし、理想的な栄養バランスに調整されている総合栄養食は、新鮮な水と一緒に与えるだけ、健康を維持するために必要な栄養素を補給できるといわれています。

栄養バランスについて考えられているフードなら、栄養管理に関する知識のない飼主さんでも、猫が十分な栄養素を確保できる食事を提供することができます。

オールステージ対応のものが多い

総合栄養食には、それだけを与え続けることができるということに加えて、オールステージ対応のものが多いという特徴も持っています。

これによって、猫が年齢を重ねても同じキャットフードを与え続けることができるようになります。(一般的には、給与量によって調整するものが多いです)

総合栄養食の注意点

総合栄養食さえ与えていれば、栄養面に問題はないと思われる方は多いですが、そこにはいくつか注意すべき点があります。

エビテンスはない

AAFCOの栄養基準は世界的に認められた指標になりますので、かなり信憑性が高いもののように感じてしまいます。

しかし、AAFCOの栄養基準には科学的根拠はないという点にご注意ください。

これはAAFCOのページにも記載していますが、AAFCOの栄養基準は1つの指標であり、猫が必要な栄養素について科学的根拠が立証されたものではありません。

病気や体質の変化には対応していない

総合栄養食に「万能食」というイメージを抱いてしまう方も多いですが、総合栄養食は栄養バランスに配慮したただの食事です。

健康で若い猫であれば、総合栄養食だけでも必要な栄養素が摂取できると思います。
しかし、怪我や病気になってしまうと、摂取すべき栄養素や、摂取しない方が良い栄養素は変化しますので、総合栄養食だけでは十分ではない場合もあります。

食物アレルギーに注意

総合栄養食の中には、様々な素材が使用されていますので、一般食と同じようにアレルギーのリスクはあります。
与えた後に体調を崩したり、様子がおかしい場合には、給与を中止して動物病院で診察を受けましょう。