最終更新日:2019/06/17

【キャットフード用語解説】FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)

FEDIAF(フェディアフ)とは

FEDIAFとは、 「安全で栄養価の高い、美味しい製品を供給するための有利な条件を達成するために、当局、規制当局および学者と協力しているヨーロッパのペットフード業界の信頼できる責任ある声になること」を目的に設立されたヨーロッパのペットフード業界を代表する組織です。正式名称を『欧州ペットフード工業連合会』といいます。

18ヵ国のペットフード産業団体およびペットフード業界で構成されているFEDIAFでは、ペットフードの製造規範ルールを推進を行っています。アメリカのAAFCO(アフコ)、日本でいうところの「ペットフード公正取引協議会」のようなものですね。

ヨーロッパ製のキャットフードは、FEDIAFの基準をクリアしたものが安全であるといわれており、その基準は日本よりも厳しいものになっています。このことから「ヨーロッパ製のキャットフードは安全」といわれることもありますが、登録企業か過去にリコールを起こした前例もありますので、必ずしもFEDIAFが安全とは限らないという点にご注意ください。

FEDIAFの栄養基準ガイドライン

FEDIAFが発行しているキャットフードの栄養基準がこちらです。

栄養素単位成長期/繁殖期維持期
タンパク質g28.00以上/30.00以上25.00以上
アルギニンg1.07~3.50/1.11~3.501.00以上
ヒスチジンg0.33以上0.26以上
イソロイシンg0.54以上0.43以上
ロイシンg0.34以上1.28以上
リジンg0.85以上0.34以上
メチオニンg0.44~1.300.17以上
メチオニン+シスチンg0.88以上0.34以上
フェニルアラニンg0.50以上0.40以上
フェニルアラニン+チロシンg1.91以上1.53以上
スレオニンg0.65以上0.52以上
トリプトファンg0.16~1.700.13以上
バリンg0.64以上0.51以上
タウリン(缶詰)g0.25以上0.20以上
タウリン(ドライフード)g0.10以上0.10以上
脂肪g9.00以上9.00以上
リノール酸g0.55以上0.50以上
アラギドン酸mg20.00以上6.00以上
α-リノレン酸g0.02以上
EPA+DHAg0.01以上
ミネラル
カルシウムg1.00以上0.59以上
リンg0.84以上0.50以上
カルシウム:リン比g1:1~1.5:11:1~2:1
カリウムg0.60以上0.60以上
ナトリウムg0.16以上0.08以上
塩素g0.24以上0.11以上
マグネシウムg0.05以上0.04以上
微量元素
mg1.00~2.800.50~2.80
ヨウ素mg0.18~1.100.13~1.10
mg8.00~142.008.00~142.00
マンガンmg1.00~17.000.50~17.00
セレンμg30.00~56.8030.00~56.80
亜鉛mg7.50~22.707.50~22.70
ビタミン
ビタミンAIU900.00~40,000.00/900.00~33,333.00333.00~40,000.00
ビタミンDIU28.00~22725.00~227
ビタミンEIU3.80以上3.80以上
ビタミンB1mg0.55以上0.44以上
ビタミンB2mg0.32以上0.32以上
パントテン酸mg0.57以上0.58以上
ビタミンB6mg0.25以上0.25以上
ビタミンB12μg1.80以上1.76以上
ナイアシンmg3.20以上3.20以上
葉酸μg75.00以上75.00以上
ビオチンμg7.00以上6.00以上
コリンmg240.00以上240.00以上
ビタミンKμg

日本の総合栄養食にも使用されているAAFCOの栄養基準と比べると、僅かな違いはあるものの、大きくことなるようなものはないようです。

FEDIAFに関する注意点

品質や安全性、栄養基準のためのガイドラインの発行を行っているFEDIAFですが、これらを信頼できるキャットフードの基準として見るには、いくつか注意点があります。

栄養基準の認定はない

FEDIAFでは、先述したように栄養に関するガイドラインが発行されていますが、基準を満たしているかどうかはペットフードメーカーの独自試験によって自己申告制されているものなので、基準を満たしたことによる認定証などはありません。

ただ、製造に関しては厳しい基準が定められており、基準を満たした工場で製造されたペットフードは「FEDIAF認定工場で製造」といった表記を行うことができます。

安全性を保障するものではない

FEDIAFの栄養基準を満たしているかどうかはペットフードメーカーの自己申告によるものであることに加えて、その基準の多くは必要最低限の配合量になりますので、FEDIAFの栄養基準が安全を保障するものとは限らないという点にご注意ください。

栄養基準は猫の体質や年齢、抱えている病気によって必要な量が変化するものですので、その変化に合わせてキャットフードも切り替えていくことが大切です。飼い猫に必要な栄養素を知るためには、動物病院で定期健診を受けながら獣医師と相談しましょう。