最終更新日:2019/04/09

【キャットフード用語解説】グレインフリー

穀類不使用

グレインフリーとは?

グレインフリーとは、穀物(米、小麦、どうもろこし)を一切使用していないフードのことを指します。

似たような用語に「グルテンフリー」というものがありますが、こちらは穀物から生成されるタンパク質を使用していないことを指すので、グレインフリーとは少し意味合いが異なります。

どうして穀類を使用しないのか

グレインフリーのキャットフードが販売されるようになったのは、2007年に起こったメラミン混入事件がきっかけといわれています。

メラミン混入事件とは、中国産の小麦やトウモロコシに含まれていたメラミンによって、多くのペットが腎不全を起こしてしまったというもの。

この事件によってペットフードに含まれる穀類への不信感が高まったことで、穀類を含まないグレインフリーのペットフードが開発されるようになったそうです。

しかし、現在では完全な肉食動物の猫にとって穀物は消化吸収しやすいものとはいえないという理由から、グレインフリーがキャットフードのスタンダートになりつつあります。

果たして、猫にとってグレインフリーは本当にメリットがあるものなのか、実際に見てみましょう。

血糖値を上がりにくくする

肉食動物の猫にとって、活躍エネルギーとなる糖は糖新生によって生成されます。

糖質をとらなくてもエネルギーを生成できる猫が、糖質の元となる炭水化物をたくさん摂取してしまうと、血糖値が上がりやすくなり肥満や糖尿病などの病気を引き起こすといわれています。

そこでグレインフリーのフードでは、炭水化物の含有量が少ない豆類や芋類を使用し、食後の血糖値を上がりにくくしています。

グルテンアレルギーを避ける

グルテンとは、小麦などの穀類に含まれるタンパク質の一種です。

肉食動物である猫にとってグルテンは必要なものではなく、消化もしにくいといわれています。さらにグルテンは食物アレルギーを引き起こす原因にもなりますので、グルテンアレルギーを持った猫には与えられません。

グレインフリーのフードには穀類が使用されていないので、もちろんグルテンも含まれていません。

グレインフリーの注意点

グレインフリーのキャットフードというだけで、安全で消化率が高く、血糖値も上がりにくいという印象を持ってしまう方が多いですが、実際のところ「グレインフリーにすることだけが目的となっているキャットフード」も存在しますので、選ぶ際には注意が必要です。

食物繊維の量が多すぎるもの

本来、肉食動物である猫の体のつくりは、多くの食物繊維を取り入れることに向いていないので、大量に摂取することで便秘や消化不良を引き起こしてしまうことがあるといわれています。

グレインフリーのフードには、穀類の代わりに豆類や芋類が使用されることが多いですが、豆や芋に含まれる食物繊維の量は穀類よりも多くなっていますので、「食物繊維の消化が苦手」という問題はグレインフリーではなく「動物性原料が占める割合が高い」フードを選ぶことでしか解決できないという点にご注意ください。

動物性原料の使用率が低いもの

グレインフリーのフードの中には、動物性原料が占める割合の高いものが多いです。

しかし、グレインフリーというのは「穀類を使用しない」というものになりますので、必ずしも動物性原料が占める割合が高いわけではなく、穀類の代用として豆類や芋類を多く使用しているものもあります。

グレインフリーのフードを選ぶ際には、販売サイトやパッケージに「動物性原料を〇%使用」と書かれたものや、原材料に何がどれくらい含まれているのか書かれたもの(各原材料の使用率をパーセンテージで記載されているもの)で判断されることをオススメします。

ただし、猫の年齢や体質によっては、たんぱく質が体内で分解される際に発生する「尿素」が負担になってしまうこともあり、必ずしも動物性原料の割合が高くないといけないというわけでありませんのでご注意ください。

まとめ

グレインフリーの特徴をまとめてみました。

  • 穀物が使用されていない
  • グルテンが含まれていない
  • 血糖値を上げにくい

グレインフリーのキャットフードをご購入の際には、どうしてグレインフリーのキャットフードを選ぶのか決めた上で、そのキャットフードで目的を果たすことができるのかを考えることが大切になります。